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Sea Brief

川崎海上保安部

川崎港地域は大小の石油ナフサLPGタンクが密集しています。それだけにタンカーや貨物船の航行も多く、又この地区には京浜運河もあり、海難事故が起こりやすい水域です。この地区の安全確保と救難活動を受けもっているのが川崎海上保安署の“うみかぜ”とその乗務員の皆様です。
京浜運河は東京から横浜方面へ向うプレジャーボートも多く貨物船、タンカーに混じってプレジャーボートがスピードを上げて走っています。この海域を守る“うみかぜ”神達孝一船長さんからプレジャーボートのオーナーの皆様に安全確保の意味から、コメントをもらいました。
?@ プレジャーボートの海難は増加傾向にあり、全海難の半数以上を占めています。これらプレジャーボートの海難事故は、航走途中の燃料欠乏やバッテリーがあがって航走できない等の極めて初歩的なミスによるものが多く見受けられます。海難を未然に防止するために、安全に航行するという意識をもって発航前の点検を必ず励行して下さい。
?A 京浜運河や川崎航路は信号によって航行管制されており、大型船のみならず小型のプレジャーボートでも信号に従わなければなりません。プレジャーボートの場合、信号の位置や意味が分からずに違反しているケースも少なくありません。もう一度信号の位置や意味を確認して、必ず信号を守って下さい。

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写真右より巡視艇うみかぜ、船長・神達孝一、機関長・松下英慈、航海士補・古田 正志、機関士補・川名 正弘、円内写真 航海士補・鎌田 淳
?B 港内には工事区域が多く、区域内では一見何事も無いようで実は潜水作業が行われていたり、障害物が海中にあったりします。工事区域は黄色の灯標や浮標で囲まれておりますので、常に確実な見張りを励行し工事区域内に入らないようにして下さい。
?C 気象については、ラジオ・テレビ等で簡単に気象情報が入手できます。強風注意報・警報が発令されている時や荒天の予報の時は、出港時に天気が良くても、必ず時化てまいります。「せっかくの日曜の休みに」ということで、つい、無理をして出港させてしまうケースも多いようです。気象状況を把握して無理な航海はしないようにして下さい。

東播磨海上保安署

当署が本拠地とする東播磨港は、瀬戸内海播磨灘北東部の兵庫県下にあります。
東播磨港は、播磨臨海工業遅滞の発展に伴い、昭和38年11月にそれまでの別府、二見、高砂、伊保の四港を統合して東西14kmの港となり、翌年2月重要港湾に、また昭和46年6月港則法で定める特定港にそれぞれ指定されております。
当署管内には多くの臨海企業があり、東播磨港には年間延べ18,000隻の船舶が入港しております。その沖合には播磨灘航路があり、明石海峡を通航する貨物船、タンカー船などで輻輳しております。また、県下でも有数の好漁場が点在しており、春先から秋口にかけて漁船の操業やプレジャーボートの活動が活発です。
なお例年、秋口から春先にかけて、「兵庫のり」の養殖が地元海域全域において行われておりますので、この間の沿岸航行は事前の水路調査と厳重な見張りが必要です。
一方、当署管内においては、マリンレジャーやマリンスポーツも盛んに行われております。阪神地域に隣接した好立地条件もあって、管内には約1,300隻のモーターボートをはじめて、ヨットや釣り船などが多数在籍しておりますが、これらの船舶による廃船不法投棄、無資格運航事犯、のり網への乗揚げ、他船との衝突といった事件、事故が多発しております。
特に、海難事故は平成8年19隻発生しており、例年に比べてかなり増加しております。このうち、プレジャーボートの海難は7隻でしたが、そのうちの推進器障害と

 

 

 

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